INTERVIEWS
January 24, 2021

【Home Again】vol.4:peltsign 寺澤克己さん・彩さん「ライフパートナーと育てるオンリーワンの働きかた」後編

家具と雑貨のお店BULLPEN(以下:ブルペン)の松島大介さんが、「自分らしい住まい方」「自分らしい生き方」を営む人々を訪ねていく、連載インタビュー。

第4回は、ご夫婦で「peltsign」というユニット名でご活動されている、家具職人の寺澤克己さんと、サインペインターの寺澤彩さんを訪ねました。
 
それぞれ異なるスキルを持ちながらも、パートナーとしてご一緒に活動されることで、他にはできないものづくりをされています。
後編では、ご夫婦で活動を始められるきっかけなどをお伺いしました。




松島 - おふたりが一緒に活動を始められた経緯をお伺いしたいです。知り合ってから何年くらい経つんでしょうか?
 
克己 - 10年位でしょうか?共通の友人がいて、その友人がホームパーティーを頻繁にやっていて、そこで会いました。
 
彩 - 私も、東京出てきて間もない頃で、誰も知り合いがいなかったので、そこに行けば誰かしらに知り合えると思ってよく行っていました。                
 


 
彩 - 付き合い始めた頃だったと思うのですが、友人が奥多摩のカフェの改装をするということで、それぞれ看板の土台とペイントを頼まれたのが、最初に一緒に仕事をしたプロジェクトでした。
その頃からぼんやりと、業種は違うけど、ふたりとも、つくることをやっているので、付き合うなら一緒にやれたほうが良いよね、何かやれたら良いよね、という話しをしていました。
 
克己 - 僕も中高の頃、ペイントが好きだった時があったので、元々興味はあったんですよね。その時みていたストリートのグラフィティーライターが、看板屋にかわってやっているのを見ていいなと思っていました。エスポとか。
 
松島 - 僕もサインペイントのカルチャーが好きで、アメリカでも身近でよく見ていました。
 
 

 
 
松島 - それこそ、絵も家具も、なんのインスピレーションもなく、誰もやったことのない真新しいものを作るってかなり難しいじゃないですが。ある意味、出切っちゃってると思います。その中で、オリジナリティを出すこと、自分のスタイルを出すことに、それぞれのアーティストさんが試行錯誤されていると思いますが、サインペインターと家具職人という組み合わせって、日本に他にいないと思うんですよね。
一緒にやってていいなと思ったことなどは、ありますか?
 
彩 - 私は、描くことや、グラフィックデザインを考えることしかやってこなかったので、看板とかが空間にどういう風にあったらいいか、ということを考えたことがなく、分からなかったんですよね。その私が分からないところをアドバイスくれたりしますし、私も知識がつくので、良いなと思います。
 

 


 
松島 - 克己さんは何かありますか?
 
克己 - やはりふたりセットで頼んでもらえたら、嬉しいですよね。什器ができたら、すぐにサインペイントに入れますので。
 
彩 - お客さんにとっても良いと思っています。ロゴもやって、看板もできて、内装も全部一緒にできたら、お店やるにはちょうど良いかなと。
 


 
松島 - おふたりに作っていただいたパドラーズの看板も、ずっと使わせていただいています。
何かふたりでやったお仕事で、思い出に残っているお仕事などはありますか?
 
克己 - 什器もサインも、両方とも頼んでいただいて、使ってもらえるのがいちばん嬉しいので、どれも印象に残っています。店舗のファサードを僕が作って、その上にサインをペイントするというお仕事とかは、大きさもありますし、オープンしたときの充実感はありますね。
 
彩 - 私も、2人で手掛けたお店がオープンしたときはやはり嬉しいですね。そして、担当したお店がどれもまだ続いているのも嬉しいです。ずっと続いていってほしいです。
 

PADDLERS COFFEEの看板デザイン

ご夫婦で手がけられた店舗のファサードデザイン


 
松島 - 住まい方についてもお伺いしたいです。
一つの建物の中に、彩さんのアトリエと克己さんの家具工房があって、その隣にご自宅が立っていますが、住まいと仕事場が同じ場所にあるというのは、おふたりが元々考えていた生活スタイルだったのでしょうか?
 
彩 - 知り合いに、神戸で家具屋をやっているご夫婦がいるんですが、そのおふたりも工房に住んでいるんですよね。
 

工房に隣接するご自宅リビング

 
 
彩 - 活動を始めるときは、そのほうがいいのだろうと思っていたので、住む場所と働く場所が一緒になっている物件を探していました。今となっては、別々でも良かったかなとも思いますが。
 
克己 - メリット・デメリットありますよね。
 
松島 - 仕事で疲れている時に、すぐ家に帰れるほうが良かったりしますよね。
 
彩 - オンオフがなかなかつけられない、というのがちょっと課題ですね。
 
松島 - おふたりがずっと一緒にいるのもすごいなって思いますけど。
 
彩 - 気使いますよね。相手の方が遅くまで仕事している時とかは特に。
 
克己 - 気を使うのはやめてほしいですけどね(笑)
 

 
 
サバサバとした克己さんと、シャイな彩さん。
おふたりの静かな話し方や、そのゆっくりとしたリズム感からは、独自の世界観を感じながらも、おふたりの親しみやすさや優しさを感じました。
その雰囲気は、まさに作品にも現れていると感じます。




独特なPOPさとはっきりとしたカラーリングながら、どこかに親しみやすさを感じるイラストと、木製什器の温かみ。
おふたりのそれぞれのスタイルやキャラクターの、絶妙なコンビネーションが反映された、おふたりにしか作れない作品だと感じます。
ものづくりは、その人となりを映し出すのだなと改めて感じました。

そんな独自の世界観の表現と優しさを併せ持つデザインは、いろいろな人々を迎え入れる役割を持つお店のサインや看板に、ぴったりなのではないでしょうか。

そして、その絶妙なコンビネーションは、住居と仕事場をシェアしていることで、日々たくさんの事を共有することでお互いを理解し、尊重し合うことで、生まれるものなのかもしれません。





Interview : Daisuke Matsushima
Edit : Chisato Sasada
Photo : Nao Manabe


tefuは、ヴィンテージ家具のシェアリング事業や空間運営事業を通じて、「さまざまな価値を分かち合いながら、自分らしく住まえること」のサポートを行う新プロジェクトです。
本連載は、tefuのアドバイザーであり、家具と雑貨のお店BULLPENの共同代表である、松島大介さんがインタビュアーとなり、「自分らしい住まい方」「自分らしい生き方」を実践する人々を訪ねていく、BULLPEN×tefuのコラボレーション企画です。
「良いものを長く使い続けること、その価値を分かち合うこと」について考え、これからの豊かな暮らしのヒントをお届けします。